こんなに綺麗になるなんて
ついったーでお話してたケイナノちゃんが熱かったので…ナノハナちゃん勝手にお借りしてます。
「遊園地に行ってみない?」
幼い彼女の大きくつぶらな瞳はキラキラと遊園地を映して輝いている。
赤くなっている鼻先を見て、もう少し厚着させれば良かったな、と少し悔やんだ。
「おおきい……。」
「うん、新しい遊園地。出来たって噂聞いたから、ナノハナちゃん喜んでくれるかなって思って。」
「おおきいね…人がいっぱいだよ…たのしそう……。」
良かった。結構お気に召してくれたようだ。
こんなに目を輝かせてくれたなら僕も中々に強引な形で連れてきた甲斐もある。
「じゃあ、僕たちも楽しもうよ!」
「……うん……。」
少し照れたように、彼女は頷いた。
ジェットコースター。
__ナノハナちゃんが怖がるからダメ。(ついでに言うと身長が乗っていい基準に達していない)
お化け屋敷。
__これもナノハナちゃんが怖がるからダメ。(あと少し僕も怖い)
回転ブランコ。
__危ないからダメ。(ナノハナちゃんは軽いから落ちそうで怖い)
ゴーカート。
__これも危ないからダメ。(見た感じ結構なスピードが出てる)
その他諸々あったけど、どれもこれもナノハナちゃんにとっては危なそうでダメ。なんやかんやで過保護気味だから色々とダメなのかもしれない。
結局乗れるアトラクションは、メリーゴーランド、コーヒーカップ、観覧車くらいとなってしまった。
ナノハナちゃんが転ばないよう手を繋ぎながら、ナノハナちゃんの歩幅に合わせながら、メリーゴーランドへ向かう。
「なんか…ごめんね…ナノハナちゃんが乗れるものこれくらいしか……。」
「……ううん、だいじょうぶ…ケイくんといっしょにあるいてるだけでも……たのしいよ……。」
キュゥゥゥゥン。
今の心境を例えるならこんな効果音だと思う。
なんとも庇護欲をかきたてられる台詞だ。
自然と頬が緩んでいくのが分かるくらい、僕は彼女の言葉に癒されていた。
キラキラとナノハナちゃんの目のように輝いた馬が回っている。
メリーゴーランドに着いた。
僕が乗るにはかなり恥ずかしいので、ナノハナちゃんだけを馬に乗せて見送った。
…………。
ナノハナちゃんの「なんでケイくんは乗らないの?」的な視線が痛い。身体に刺さる。とても刺さる。
ナノハナちゃんは馬から自力で降りると、その大きな瞳でじーっと見つめてくる。
……僕はナノハナちゃんに弱い。
次はメリーゴーランドに近いコーヒーカップに乗る。
結果から言うと、僕は三半規管が弱いらしくかなり酔った。
ナノハナちゃんはけろっとしている。
なんて情けない男だろう、と自嘲した。
ナノハナちゃんに心配されながらも最後にやってきたのは観覧車。
元々遊園地に訪れた時間が遅かったため、観覧車に乗った時には遊園地中ライトアップされていた。
キラキラ、きらきら。
瞳が星のように、キラキラと煌めいて。
とても、綺麗だと思った。
そして僕は今とても悩んでいた。
「……遊園地、行こ…………?」
袖を掴み、上目遣いで僕を見つめてくる成長した彼女は、僕を惑わせるには十分なものだった。
(だって、だって、こんなにも綺麗に成長するだなんて)
妹のような存在と思えなくなるのは何時頃か。
ついったーで言ってたケイナノちゃん遊園地デート(?)妄想が爆発した結果。
ナノハナちゃんぽくなかったら申し訳ないです…。