ならばサラセニアをもらおう

ただ単にうちの子をまとめるためだけに作られたブログ。

炎のように赤く

サンとターブとシーズのお話。人によってはグロいと感じるかもです。

 「ター?どうしたっすか?」

最初に異変に気付いたのはターブだった。

「...あそこに、男の子がいる...。」

「あ、ホントだ。男の子がいるわ。」

ターブの言葉により姉弟が次々気づいていく。

どうやら男の子は石に座っており、そっぽを向いている。

僕たちだけが知っている森だったのにな、とサンは拗ねているが仕方のないことだ。

「どうする?話かけよっか?」

そうシーズが問いかけたところでターブはまた新たな異変に気が付いた。

「...血だ...!」

その発言に少年少女は言葉を詰まらせた。

「あの子...!血が出てる...!治療しなきゃ!」

元々心の優しい子だ。

そんなターブは男の子の元へ走っていく。

「...あっ!ちょ、ターブ待ちなさいよ!」

シーズも後を追いかけていく。

その光景を見ていたサンは追いかけなかった。

動けなかったのだ。

足が竦んで動けない。何か嫌な予感がする。

行かないで、と声を上げたいのにそれすらも出来ない。

怖い怖い怖い

「あ...ま、待って...」

ようやく言えた。

が、遅かった。

 

ターブの横腹を突き抜ける何か。

赤い何かが付着している。

何が起こっているか分からない。状況が理解出来ない。

ターブが倒れた。数秒の間の後にシーズが悲鳴を上げた。

見たくない。見たくないけど、見てしまう。

ターブの横腹を突き破ったモノ。

「...い、し...?」

ただの、ごく普通の石だった。

この石でターブの横腹を突き破ったのか。

それを理解するとサンの震えは増した。

動けない、歯が勝手にカチカチと鳴りだし顔から血の気が引いていくのが分かる。

未だ悲鳴を上げ続け、顔を手で覆うシーズ。

横腹から赤い真っ赤な血を流し続け、一言も発さないターブ。

殺気を放ちながら、血を流し睨みつけている男の子。

幼い彼らにとっては、地獄絵図であった。

 

(何でこんなことになったの?)

紅い血は彼をもっと赤く見せた。

 

ターブ助かるんで大丈夫っす!

モモメがいたら皆死なない!!()